通信教育部学生のレポート他

ヘルダーリンの詩に関して―「人生の半ば」を中心に― 芸術学コース 加藤綾

【2014年度「詩と音楽への案内」レポート】 ヘルダーリンの詩に関して―「人生の半ば」を中心に― 芸術学コース 加藤綾 1.はじめに 詩はその性質上、作者固有の私的な心情が多分に投影され、一篇のうちに作者の生そのものが凝縮している。そのため、文学のな…

生と死の際にある「津軽」  陶芸コース  阿波野 智恵子(筆名)

【芸術環境演習・津軽】スクーリングレポート 生と死の際にある「津軽」 --- 陶芸コース 阿波野 智恵子(筆名) 神明宮の記憶が、頭のどこかにずっと、ある。触れることも、それについて考えることも障りがあるような、直視が憚られるような恐ろしさ。時間と…

高山を歩きながら<飛騨の匠>のことを考える  阿波野 智恵子(筆名)

【2014年度環境文化論・飛彈】スクーリングレポート 高山を歩きながら<飛騨の匠>のことを考える --- 陶芸コース 阿波野 智恵子(筆名) 林格男先生の講義のなかで、古川周辺に集中する古代寺院の痕跡の話とともに月ヶ瀬が止利仏師の故郷であるとされる伝説に…

「あめゆじゆとてちてけんじや」~「永訣の朝」の方言からみえてきたもの~

〔2013年度 環境文化論・花巻 スクーリング・レポート〕 「あめゆじゆとてちてけんじや」~「永訣の朝」の方言からみえてきたもの~ --- 陶芸コース 阿波野智恵子(筆名) ● はじめに 今回の花巻行で一番印象深かったのは、なんといっても講師のお三方に発音…

雪国の春 --- 陶芸コース 江口晴美

[2013年度東北地域学 第一課題レポート] 雪国の春 --- 陶芸コース 江口晴美 「雪国の春」(柳田国男著 角川文庫 昭和46年5月30日 改版初版発行)を読んだ。 読後、次の二点に関心を持った。 その一つは、柳田国男は毎年のようにどこかの村里を歩き、「海南小…

環境文化論・飛騨 スクーリング・レポート  稲村弥奈子

【2012年度 環境文化論・飛騨】 環境文化論・飛騨 スクーリング・レポート --- 染色コース 稲村弥奈子 本講座の受講により初めて飛騨高山へ訪れたが、その中で最も印象に残ったのは地域に根ざして生活することの魅力である。 2日目の夜、中路先生に連れてい…

京都発見 一箭しのぶ

【2012年度 京都発見】 京都発見 --- ランドスケープデザインコース 一箭しのぶ (1)はじめに 「京都」といえば、一番初めにどんなイメージを思い浮かべるだろう? 神社仏閣? 舞妓さん? 町家? 和菓子? 人によって様々なイメージを思い浮かべるだろうが…

『ヘルダーリン詩集』 --- 歴史遺産コース 白神舞

【2012年度 詩と音楽への案内】 『ヘルダーリン詩集』 --- 歴史遺産コース 白神舞 (1)はじめに ここで取り上げるのは、『ヘルダーリン詩集』の中の一篇「自然へ」である。一読すれば、喜びと喪失の嘆きという要素は理解できる。しかし、何度も読み返すう…

詩と音楽への案内 第二課題レポート 「和歌」 土屋良子

【2011年度 詩と音楽への案内】 和歌 歴史遺産コース 土屋良子 第二課題 『中世の文学』 (一) 和歌は歌うもの 和歌といえば私にとっては小学校での百人一首の暗記に始まり、中学校でのあの独特の抑揚をつけたよみ練習に終わった。ほとんどの和歌はよく意味…

津軽

【2011年度 芸術環境演習・津軽 スクーリング・レポート】 津軽 歴史遺産コース・土屋良子 美術史に出てくるような芸術は貴紳のみが鑑賞し、所有し、製作者も材料の問題からいって、それらとの繋がりがある人々であったのではないかと思うが、とにかく物とし…

花巻 私という現象は

【2011年度環境文化論・花巻】 花巻 私という現象は 染織コース 篠田秀子 はじめに 私という現象は、どこからきてどこまでいくのだろう、そのような想いに答えを見つけようとするとき、50年余りのこれまでの人生の道中、度々何度も宮沢賢治の作品との出会い…

≪宮沢賢治の雲≫

【2011年度「環境文化論1~4(花巻)」スクーリング レポート】 ≪宮沢賢治の雲≫ 芸術学コース 須田雅子 1.はじめに 羅須地人協会跡の柱にあった、「風とゆききし 雲からエネルギーをとれ」に、とても爽やかな印象を持った。『農民芸術概論綱要』からの引…

詩と音楽への案内  第一課題 山田彩加

【2011年度 詩と音楽への案内】 『サウンド・エデュケーション』 芸術学コース 山田彩加 1:はじめに 『サウンド・エデュケーション』このような教育があったことをこの本で初めて知った。教育とは受けるものであって、その中で受けてきた音楽の授業とはこ…

音楽の根源にあるもの

【2011年度 詩と音楽への案内】 「音楽の根源にあるもの」 芸術学コース 山田彩加 1、はじめに 私が、参考文献を通読し、強く関心を抱いた一節は“まえがき”冒頭に書かれた以下の一節である(1)。 「音楽について語ることは、一般に楽しいが、時として苦痛で…

京都発見 スクーリングレポート 「高瀬川を歩く」 陶くみ枝

【2010年度 「京都発見」】 スクーリング・レポート「高瀬川を歩く」 陶芸コース 陶くみ枝 「地域学基礎」で、居住する最寄りJRの我孫子駅が明治29年に開設される経緯を調べた。東京・日本橋から24kmに位置するこの町は東京のベットタウンとして比較的利…

祈りと民俗芸能---じゃんがら念仏踊り

【2010年度 東北地域学】 祈りと民俗芸能---じゃんがら念仏踊り 日本画コース 服部澄子 祈りと民俗芸能を自分の住む地で考えるならば「じゃんがら念仏踊り」がある。現在いわき市内においてみられる形態を示し、資料をもとにその歴史と「じゃんがら念仏踊り…

第2課題:『音楽の根源にあるもの』 文芸コース 小野愛子

【2010年度 「詩と音楽への案内」第二課題レポート】 第2課題:『音楽の根源にあるもの』 文芸コース 小野愛子 ========================= > 立派な演奏家がいいスコアでもって上演しても、とてもドラマを見ているという感じじゃなくて、ただ発声法を聞いて…

こんにちに生きる宮澤賢治---イーハトーブ再考--- 写真コース K.Y

【2010年度 環境文化論・花巻】スクーリングレポート こんにちに生きる宮澤賢治 ---イーハトーブ再考--- 写真コース K.Y はじめに 宮澤賢治の作品にふれるとき、いつもどこか物悲しさを感じる。その人生をめぐり哲学に近づこうとするとき、きらきらと輝く銀…

春と修羅「小岩井農場」を片手に 陶芸コース 陶くみ枝

【2010年度 環境文化論(花巻)】 スクーリングレポート:《春と修羅「小岩井農場」を片手に》 陶芸コース 陶くみ枝 田沢湖線の小岩井駅にバスは停まった。梅雨明け前の湿った空気に日差しがカンカン照りつける。バスを降りると汗が噴き出す。賢治が農場を歩…

【2007年度「地域学」 第1課題レポート】 消えた地名の不思議 --- 校歌を掘り起こす

【「地域学」2007年 第一課題レポート】 「消えた地名の不思議 --- 校歌を掘り起こす」 芸術学科芸術学コース 吉田 マナ はじめに 私の出身地域の小学校の校歌を分析し、現代の生活における故郷について考える。 まず校歌を紹介し、背景の歴史に触れ、歌詞の…

【2009年度東北地域学第2課題】故郷の備前焼と津軽金山焼について

自宅で普段使いしている津軽金山焼きの湯のみと湯冷まし 【2009年度東北地域学第2課題】 故郷の備前焼と津軽金山焼について 宮田 春美 通信教育部芸術学部芸術学科 はじめに 故郷の「備前焼」の器に似た食器を目にしたのは、5年前の青森県五所川原市エルムの…

高山の今

2009年度「環境文化論・飛騨」2009年6月12-14日 高山の今 (洋画コース 福田 厚子) 高山市図書館のそばにある喫茶店兼理髪店のオーナーのお話(70~80代ぐらいの男性) 子供の頃、高山にサーカスが来て象を見るのが楽しみで走ってこの坂を下ったという。 市…

【2008年度哲学b・東京】 里の中の幸福感

【2008年度哲学b・東京】 「里の中の幸福感」 ランドスケープデザインコース 光永真紀 私たちは今、幸福であるのか、それとも幸福ではないのか。 物質的に豊かな国に暮らす私たちは、日々の生活に困らないという点で、やはり幸せだと言えるのではないだろう…

【2008年度哲学b・東京】 スクーリングレポート (情報D 浅見真智子)

【2008年度哲学b・東京】 スクーリングレポート哲学b 2008 09/09~09/11 情報デザインコース 浅見真智子 今回のスクーリングで、特に印象に残った事は、『ツァラトゥストラはかく語りき』の話に出て来た『神は死んだ』という下りの事でした。 何故、『神』が…

【2008年度哲学b・東京】 「永遠回帰」について考えたこと (染織コース 荒川)

【2008年度哲学b・東京】 「永遠回帰」について考えたこと 染織コース 荒川 関心はあるが、基礎知識の不足、資料の難解さ、等で、触れる機会の無かった哲学、理解しようと自ら本を読んでみても「解からない」。今回のスクーリングを機会に、自分で考えてみた…

【2008環境文化論・津軽】 レッツウォークお山参詣に参加して (ランドスケープデザインコース 髙原さつき)

【2008環境文化論・津軽】 レッツウォークお山参詣に参加して ランドスケープデザインコース 髙原さつき 私は今回のスクーリング対象地である青森で生まれ育った。 父は南部出身、母は津軽出身であり、特に母の故郷である弘前に行くことは幼い頃から日常的な…

【2008環境文化論・津軽】 津軽人 (陶芸コース 相馬理絵)

【2008環境文化論・津軽】 津軽人 陶芸コース 相馬理絵 今回、津軽のスクーリングがあると知った時、私にとって父と母の事、又は自分を原点から見つめ直す、とても有意義なチャンスだと感じた。何故ならば、両親の性格が独特であり、テレビに津軽が放映され…

【2008環境文化論・津軽】  岩木山と津軽の人々 (染織コース 荒川)

【2008環境文化論(津軽)】 岩木山と津軽の人々 染織コース 荒川 全ての行事が終わった後、違和感が残っていた。これはなんだろうと考えていくと、「あっ嫉妬しているんだ。」と、思い当たった。自分にはこれから先、当然過去にも、絶対に持つ事が出来ない…

【2008環境文化論・津軽】 岩木山お山参詣の意義と将来 (歴史遺産コース 澤田)

【2008環境文化論(津軽)】 岩木山お山参詣の意義と将来 平成20年9月22日 歴史遺産コース 澤田京子 はじめに 岩木山は霊山として古くから信仰を集め、お山参詣が盛んに行われるようになったのは、元禄時代といわれる。旧暦7月28日から旧暦8月1日…

『地域学基礎』 第2課題 (神奈川県 山川忠さんの報告)

『地域学基礎』 第2課題 (神奈川県 山川忠さんの報告) 1 野菜を売る農家のおばさん 小奇麗な服装をした新住民をよそに、粗末な小屋に野良着姿で野菜を売り、リヤカーを引いて野菜を売り歩く農家のおばさんたちの姿は、純朴そのもので懐かしくもある。大…