黒田村「サロン」 6月26日の報告(中路)

イメージ 1

(ちょうど花期をむかえたシブキの花を活けたグラスがサロンの会場の机を飾っていました)

黒田村「サロン」 6月26日の報告

 三辻さん、報告有難うございました。
 当日も黒田村はとてもさわやかで、空気に清涼感があると感じました。空気に水分はかなりあると感じましたが、じとっとした湿り気のようなものはなく、水気が肌に感じる気温を下げて、やや重たく、しかしさわやかな空気を作っているように感じました。
 また黒田にいって特に感じたことは、この時期落葉樹と常緑樹の色の差が少なくなって、山の色合いの一体感が感じられるようになっているということです。新緑の季節が終わって、樹々もまたおのがじし生長へと順調にいそしんでいる、そんなことを感じさせる黒田の自然でした。今回もまた言いようもなく素晴らしかったのです。
 「サロン」の方は、三辻さんが起こした前回の記録のプリントをもっていって、ひとつひとつなぞりながら、分からないところを教えてもらって、また敷衍して話がひろがったりしながら、プリントを最後まで目を通していただきました。またトポイポイねっとで私が前回4月24日のことを報告したものもプリントしてお渡ししました。こんな形で公表してゆきたいということをお伝えするためです。よしこさんはパソコンでも見てみようとおっしゃっていました。
 話ははずんで、新しい言葉もいくつか教えてもらってきました。また牛のことの関連で尋ねたら、山国に**さんという馬喰さんがいて、だいたいその人が黒田の牛のことをやってくれている(もってきたり、さげたりしている)ということでした。宮本常一の「土佐源氏」で言われる仕事のとおりですが、馬喰の文化というものにも焦点を当ててみたいと思ったことです。伊東静雄の詩にも馬喰のことで気になる作品があるのです。
 またよしこさんが最後に言われたことが三辻さんの報告にもありますが、それにとても感動しました。「黒田村全体を老人ホームにしないとあかん」というその考えのことです。村人をだれ一人として孤立させてはならないという配慮のことです。このようにあたたかい。そのようにして、五年後でも十年後でも、きっとあったかい配慮のある村として続いてゆくのだろうと感じたことです。村の問題(過疎高齢化)を、外部の人が考えるよりもずっと深く、現実的に考えているのです。感銘しました。
 あと、帰りに、井戸という山国側の集落から雲ヶ畑に通じるはずの道を車で踏破してみようと思ったのですが、舗装道路は何年か前に崖崩れにあったようで、途中で廃絶。引き返して祖父谷川沿いに道が通じているようでしたが、材木の運搬作業中だったのでこの日はあえて行かずに引き返してきました。行けるかどうか、後日また確かめたいと思っています。
 それと、ご様子をうかがいに吉田晴吉さんのお宅を尋ねたのですが、どなたもいらっしゃいませんでした。晴吉さんの車もなかったので、また元気に動き回ってられるのかもしれません。そうだとよいのですが。
 私の方からの報告はだいたい以上です。聞取りの内容のまとまった報告は後日三辻さんの方から出してもらえると思います。
                            中路正恒