クラインガルテン生活---市民参加型農園--- (新潟 尾崎美幸さんの報告2)


クラインガルテンとは、地域活性化を目的に、その市で一定の地域を「農園」と「それを管理する小屋」とのワンスペースにしていくつか貸し出す、というものです。

昨年の秋から身内が新潟県妙高市クラインガルテンを借りたので、私も月1回程度を目途に妙高を訪れるようになりました。

小屋は、1階部分が鉄筋コンクリートで作られた駐車スペース、2階部分が木で作られた生活スペースとなっています。8畳ほどのフローリングに、キッチン・トイレ・バスが併設され、ロフトが付いています。

小屋の周りを囲むように畑スペースがあります。面積だけ見れば、おそらく小屋のフローリング部分と同じか、もしくはそれ以上あるようです。更地状態から土を耕し肥料を撒いて更に種をまきます。肥料を撒かれた土の上はフカフカしてとても柔らかく、歩こうとすると軽く足が埋もれます。初めてその土の上を歩いた時、「土ってこんなに柔らかかったっけ。」と不思議な気持ちになりました。普段はアスファルトを歩く事の方が多いですから。

小屋はなだらかな斜面の地域にあり、周辺に高い建物が無いので空や土地をとても広く感じます。ススキ野原とその地域に元々住んでる方の畑、視界の奥の方に妙高山が見えます。秋は山の紅葉と枯れ始めた樹の焦げ茶色、ススキの柔らかな穂先と細く白い茎、高い青空に綿飴が千切れたような白い雲。全ての色が鮮明で、それがとても美しいのです。





そして冬。先日、嵐の中冬の妙高に行って来ました。小屋の周辺は雪に埋もれていました。2メートル以上積もった雪と、吹雪が私達に襲い掛かってきます。まず、寒さで小屋のドアが中々開かない。つまり凍ってるんですね。小屋に入れないと暖が取れないので、それはもう必死です。それから吹雪の中で駐車スペース確保と玄関確保の為の雪かき。これをしておかないと、時間が経った後に小屋から出ようとした時に出られなくなります。その日はそこで1泊したのですが、吹雪が繰り返された為外出は出来ませんでした。なので小屋の中でゆっくり、ぬくぬくと過ごしました。そして翌日。その日も天候は変わらずでしたが、ダウンジャケットに帽子、スキー時の時に着用するマスク、手袋、と完全防備をして外に散歩に出ました。



「白銀の世界」と言うと聞こえは良いですが、この日の世界は「真っ白」。空が白く曇り、地上は白い雪で埋もれています。境界線がうっすらとグレイに見え、所々に小屋と樹と電柱が見えます。少し晴れると、今度は雪の反射の為に眩しさで目が開けられなくなります。白か光か。本当に不思議な世界が、今時分の妙高では見られます。

ウィンタースポーツ以外での雪山へのお出かけも、たまには良いものです。
ぜひ皆様も、雪景色を眺めに新潟へいらして下さい。